
ベトナムの電動バイク市場が、2025年上半期(1〜6月)に急成長を遂げ、販売台数で世界3位に浮上。市場調査によれば、この期間の販売台数は約20万9,000台に達し、前年同期比でほぼ倍増(+99.2%)という驚異的な伸びを記録。世界首位は中国(約320万台)、2位はインド(約65万7,000台)。
特に排気量50cc未満に相当し、免許不要で運転できる「L1クラス」の需要が拡大。前年同期比で約2.1倍の伸びを見せ、通学や街乗りに便利な手軽さ、維持費の安さが若年層に支持されています。利用者層は高校生や大学生が中心で、都市部を中心に普及が加速しています。
市場では、国内メーカーと中国メーカーが主力を占めています。ベトナムの複合企業ビングループ(Vingroup)傘下の**VinFast(ビンファスト)**は、上半期に約11万4,484台を販売し、市場シェアは約55%と圧倒的。
主力モデルには、ビンファストの「Motio(モティオ)」、ホンダの「ICON e:(アイコンe:)」、中国ヤディアの「Vekoo(ベクー)」などがあり、各社は新型車投入や値引きキャンペーンを活発化しています。
国内メーカーでは、Dat Bike(ダットバイク)、SELEX Motors(セレックス・モーターズ)、Pega(ペガ)、Espero(エスペロ/DETECH)なども存在感を高めており、中国勢のDibao(ディバオ)やヤディアもシェア拡大に力を入れています。
排気量50ccを超える「L3クラス」も前年同期比+52.6%の伸びを示しており、通勤や中距離移動用途での需要が増加。ガソリンバイクからの乗り換えが加速していることを裏付けています。
都市部では環境規制によりガソリンバイクの使用制限が進んでおり、電動バイクへのシフトは今後も加速する見込みです。
ベトナムは、アジアにおける電動モビリティ市場の中核拠点として、世界的にも注目を集める存在になりつつあります。