
日本の大手教育企業である学研グループが、ベトナム・ハノイ市において幼児教育分野での新たな取り組みを本格化させている。
海外事業の推進を担うアイ・シー・ネット株式会社(IC Net Co., Ltd./日本)の現地法人キディハブ・エデュケーション・テクノロジー(KIDDIHUB Education Technology/ハノイ市)は、このほど「GKバイリンガル・プレスクール(GK Bilingual Preschool)」を開園した。
GKバイリンガル・プレスクールでは、モンテッソーリ教育の考え方を土台に、子どもの自主性や探究心を引き出す学習環境を整備している。
これに加え、学研グループとキディハブが共同開発した幼児向けSTEAM教育プログラム「学研STEAMプログラム(Gakken STEAM Program)」を導入し、科学・技術・創造性をバランス良く育てる内容となっている。
同園の特徴の一つが、音楽教育・英語教育・読書習慣を組み合わせた総合的なプログラム構成だ。
音楽分野では、ヤマハミュージックベトナム(Yamaha Music Vietnam)との連携により、幼児期から音感やリズム感を養うカリキュラムを採用。
英語学習には、学研グループのDTPエデュケーション・ソリューションズ(DTP Education Solutions/ホーチミン市)が開発した教材を活用している。
さらに、ベトナムの幼稚園・保育施設ではまだ一般的とは言えない絵本の読み聞かせにも力を入れ、言語理解力や想像力を育てる取り組みを行っている点も注目される。
GKバイリンガル・プレスクールは、教育内容だけでなく、日系企業との協業によるイベントや体験型プログラムの実施も視野に入れている。
こうした取り組みを通じて、日本式教育への理解を広げるとともに、質の高い幼児教育モデルの定着を目指す。
運営側は、2030年までにハノイ市を起点としてベトナム全土への展開を計画しており、今後の動向は日系教育ビジネスの海外展開事例としても注目されそうだ。
