ベトナム南部に浮かぶ秘境の島「コンダオ島（Côn Đảo）」は、近年、静かな人気を集めているリゾート地です。手つかずの自然、美しいビーチ、そして歴史的価値を持つスポットが多く、観光客だけでなく文化に興味を持つ人々にもおすすめの場所です。本記事では、コンダオ島の見どころや魅力を、現地体験をもとに詳しくご紹介します。
コンダオ島（Côn Đảo）は、ベトナム（Việt Nam）南部、バリア＝ブンタウ省（Bà Rịa-Vũng Tàu）に属する16の島々からなる諸島です。最も大きな島はコンソン島（Côn Sơn）、そして空港もこの島にあります。ホーチミン市（Thành phố Hồ Chí Minh）から飛行機で約1時間でアクセス可能です。
かつては「地獄の島」と呼ばれるほど、歴史的に政治犯や囚人が収容された場所でもありましたが、現在ではその豊かな自然環境と静かなリゾート地としての顔が注目されています。
コンダオ島で最も美しいとされるビーチ、ダムチャウビーチ（Bãi Đầm Trầu）。真っ白な砂浜とターコイズブルーの海が広がり、まるで絵画のような景色です。夕暮れ時にはサンセットが圧巻で、カップルや家族連れに人気です。
また、近くにコンダオ空港（Sân bay Côn Đảo）があるため、飛行機が頭上を通過する珍しい光景を楽しむこともできます。
19世紀末からフランス植民地時代、そしてベトナム戦争時代にかけて使用された歴史的な刑務所、コンソンプリズン（Nhà tù Côn Sơn）。政治犯が収容され、過酷な環境下に置かれたことで知られています。
特に有名なのが「タイガーケージ（Chuồng cọp）」と呼ばれる小さな監房。現在は博物館として公開され、ガイドツアーも行われています。ベトナムの近代史を理解する上で欠かせないスポットです。
島の物流の拠点、ベン・ダム港（Cảng Bến Đầm）は、ローカルな雰囲気が漂う場所。漁船やフェリーの発着を間近で見られ、朝市では新鮮なシーフードも購入できます。観光客向けのツアーボートもここから出発します。
干潮時にだけ現れる神秘的なビーチ、バイ・ナットビーチ（Bãi Nhát）は、隠れた名所です。浅瀬が広がるため、家族連れでも安心して遊べます。人も少なく、静かに自然を満喫したい人にぴったりです。
コンダオ島随一のパワースポットとされる、チュア・ヴァン・ソン（Chùa Vân Sơn／ヴァンソン寺）。丘の上に立つこの仏教寺院からは島全体を見渡すことができ、特に朝の清々しい空気の中での参拝がおすすめです。
コンダオ島は国立公園（Vườn quốc gia Côn Đảo）にも指定されており、絶滅危惧種であるジュゴン（bò biển）やウミガメ（rùa biển）の生息地としても知られています。特に、毎年5月～10月の間には、ウミガメの産卵と孵化を間近で観察できるエコツアーが人気です。
単なるリゾートではなく、悲しい歴史とそれを乗り越えた文化を持つコンダオ島。コンソンプリズンや革命家たちの足跡をたどることができ、単なる観光以上の体験が得られます。
ベトナム本土の観光地に比べ、訪れる観光客が少ないため、静かに過ごしたい人にとって理想的な場所です。高級リゾートホテルからローカルゲストハウスまで、宿泊施設も充実しています。
- ホーチミン市（Thành phố Hồ Chí Minh）のタンソンニャット国際空港（Sân bay Quốc tế Tân Sơn Nhất）からコンダオ空港（Sân bay Côn Đảo）まで、直行便で約1時間。
- バリア市（Bà Rịa）またはブンタウ市（Vũng Tàu）から高速フェリー（tàu cao tốc）でアクセス可能。所要時間は約3～4時間。
コンダオ島には、世界的な高級リゾート「シックスセンシズ・コンダオ（Six Senses Côn Đảo）」をはじめ、リーズナブルなホテルやローカルのホームステイも豊富です。自然と一体になれるヴィラタイプの宿泊施設が特に人気です。
- 現金の持参：ATMはありますが数が限られており、現金払いが基本です。
- Wi-Fi事情：リゾートホテルではWi-Fiが整っていますが、場所によっては不安定な場合もあります。
- 服装：暑さ対策と、寺院訪問時のために肌を隠せる服も用意しましょう。
- 環境保護意識：国立公園やビーチでは、ごみを持ち帰るなど環境保護を心がけましょう
コンダオ島（Côn Đảo）は、ベトナムに数あるリゾート地の中でも、特に「自然」「歴史」「静寂」を兼ね備えた希少な島です。観光だけでなく、心身をリフレッシュさせたい人には最高の選択肢となるでしょう。
ベトナム旅行を計画しているなら、ぜひ一度、秘境の楽園「コンダオ島」を訪れてみてください。