
ベトナム国内の電子商取引市場で圧倒的なシェアを誇る「Shopee Vietnam(ショッピー・ベトナム)」は、2025年5月12日より、ユーザーの利便性を高める新たな配送オプションとして「受取ロッカーサービス」を正式に導入しました。これにより、ユーザーは自宅での受取に加え、専用ロッカーでの受取という新たな選択肢を得ることができます。
この新サービスでは、対象地域に設置された専用ロッカーを配送先として選択できるようになります。商品の到着後、利用者は送付されるPINコードを用いて、72時間以内の好きなタイミングで荷物を受け取ることができます。非対面での受取が可能になることで、不在時の再配達や長時間の待機といった従来の煩わしさを軽減できるのが大きな特徴です。
ただし、この受取ロッカーサービスを利用するにはいくつかの条件があります。対象となるのは、価格が300万VND(約1万7000円)未満かつ事前決済が完了している商品に限られます。また、商品サイズや重量にも制限が設けられており、販売者側でもShopeeプラットフォーム上でこの配送オプションを有効化しておく必要があります。
サービス開始時点では、ホーチミン市(Thành phố Hồ Chí Minh)とハノイ市(Hà Nội)に計6か所のロッカーが設置されていますが、Shopeeは5月19日から第2期の展開を予定しています。このフェーズでは対象地域を大幅に拡大し、以下の11の省・市に合計321か所のロッカーを新設する予定です:
- バクザン省(Bắc Giang)
- タイグエン省(Thái Nguyên)
- ビンフック省(Vĩnh Phúc)
- ラオカイ省(Lào Cai)
- バクニン省(Bắc Ninh)
- フンイエン省(Hưng Yên)
- ハイズオン省(Hải Dương)
- バリア=ブンタウ省(Bà Rịa – Vũng Tàu)
- ビンズオン省(Bình Dương)
このような広範な設置計画により、Shopeeは都市部に限らず地方の消費者にも利便性を届けることを目指しています。
電子商取引のデータ分析を行う「Metric(メトリック)」が発表した2025年1~3月期のレポートによると、Shopeeはベトナム国内のEC市場でシェア62%を占めており、次点のTikTok Shop(ティックトックショップ)の35%を大きく引き離しています。こうした強固な市場ポジションを背景に、Shopeeは継続的なサービス改善を図り、ユーザー体験の最適化に取り組んでいます。
実際に試験導入されたロッカーを利用したユーザーからは、「不在時でも安心して受け取れる」「受取時間を自由に選べるので便利」といった声が上がっており、ライフスタイルの多様化に対応したサービスとして高い評価を得ています。
今後もShopeeは、ベトナムにおけるECのリーダーとして、技術革新とサービス多様化により、消費者と出店者双方の満足度向上を目指すとしています。