東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は、2025年5月23日より、ベトナム・ホーチミン市にて開業した都市鉄道1号線を対象とするO&M(オペレーション&メンテナンス)アドバイザリー事業を開始しました。
ホーチミン市はベトナム最大の商業都市であり、慢性的な交通渋滞の緩和を目指して、都市鉄道1号線(全長19.7km)の建設が進められてきました。同路線は、独立行政法人国際協力機構(JICA)による円借款を活用したプロジェクトとして整備され、2024年12月22日に開業を迎えました。
今回のアドバイザリー事業において、東京メトロは長年培ってきた都市鉄道運営の専門的な知見とノウハウを活かし、同路線の運営会社であるホーチミン市都市鉄道1号線運営会社(HURC1)に対して、運営面での助言と実務支援を提供します。
東京メトロはすでに2017年12月よりJICAからの委託を受け、「ベトナム国ホーチミン市都市鉄道規制機関及び運営会社能力強化プロジェクト」に参画。HURC1に対して、社内規程の整備やマニュアル作成、安全認証取得に関する技術支援を行ってきました。
この度の業務は、ホーチミン市都市鉄道管理局(MAUR)が発注した案件であり、日本工営株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金井晴彦)を幹事会社とするコンサルタントJVにより受託されたものです。東京メトロは、日本工営株式会社の協力会社として本事業に参画し、2025年5月23日より活動を開始しました。
東京メトロが実施するO&Mアドバイザリー事業では、以下のような内容が含まれます
都市鉄道1号線の開業後、会社運営、列車運行・駅業務、鉄道施設保守、現地スタッフ訓練などの分野において、各専門家を現地に派遣。HURC1に対し、実践的な助言と業務遂行の支援を行います。
- 駅業務の運営(乗客対応、安全管理、トラブル発生時の対応など)
- 電力供給設備に関する保守計画の立案および異常発生時の復旧対応
2025年5月23日〜2025年12月31日(約7ヶ月間)
本事業は、東京メトロが100年以上にわたって築いてきた都市鉄道の運営経験、ならびにハノイ市やホーチミン市における過去の国際鉄道コンサルティング実績を活かしたものです。ベトナムにおける持続可能で信頼性の高い都市鉄道システムの構築を支援し、現地の公共交通機関の発展に貢献してまいります。
今後も東京メトロは、O&M事業を中心に海外における鉄道事業の展開を積極的に進めていく方針です。
【都市鉄道1号線概要】
- 区間:ベンタイン(Bến Thành)~スオイテン(Suối Tiên)
- 総延長:19.7km
- 開業日:2024年12月22日
- 特徴:JICAによる円借款により整備され、日本の高度な鉄道技術を採用
所在地(ベトナム語):
Thành phố Hồ Chí Minh, Việt Nam