2025年8月25日 3:03 PM

三井E&S、ベトナム・フオックアン港向けにクレーン22基を一括受注 現地で過去最大規模

港湾設備や物流インフラの開発を手がける株式会社三井E&S(本社:東京都中央区)は、ベトナム南部ドンナイ省で建設中のフオックアン港向けに、計22基の港湾荷役用クレーンを受注した。ベトナム国内における同社の受注案件としては、過去最大規模となる。

今回納入されるのは、岸壁で大型コンテナ船の荷役を行う「三井パセコポーテーナ」11基と、ヤード内でコンテナを移動・積み重ねる環境対応型タイヤ式電動トランスファークレーン「三井パセコトランステーナ」11基。これらは、フオックアン港の運営主体であるペトロベトナム・フオックアン港開拓投資(PAP)との契約によるもので、港の物流処理能力を大幅に向上させる見込み。

ベトナム最大級の物流拠点に

フオックアン港は、ドンナイ省で初めて整備される本格的コンテナターミナルで、国際貿易量の増加に対応する重要拠点として開発が進んでいる。2024年2月には、世界有数の海運企業であるMSC(本社:スイス・ジュネーブ)のコンテナ船が寄港し、ベトナム最大級の港湾ネットワークの一角を担い始めている。

また、PAPはベトナム最大の港湾運営会社サイゴン・ニューポートと戦略提携を結び、南部主要港間の輸送効率や接続性の向上を目指している。これにより、同港は国際物流ハブとしての役割をさらに強化していく方針。

三井E&Sの累計納入基数は56基に

フオックアン港ではすでに13基の三井E&S製クレーンが稼働しており、今回の22基に加え、2024年7月に契約した計21基(ポーテーナ5基・トランステーナ16基)も納入予定。これにより、同港向けの三井E&S製クレーンは累計56基に達する。

同社は過去10年間で、ベトナム国内に170基以上の港湾クレーンを供給しており、トップシェアを維持。今後も港湾インフラ整備を通じ、ベトナムおよび東南アジア地域における国際物流網の拡充と経済成長に貢献していく考えだ。