
日本の大手通信企業であるNTTドコモは、海外における新たな事業領域としてデジタル屋外広告(DOOH)分野に進出した。ベトナム・ホーチミン市において、現地企業と共同で広告配信サービスを2026年5月より順次開始する。
本プロジェクトは、現地メディアグループDat Viet Groupなどと設立した合弁会社Vie BOARDを通じて展開される。ドコモにとって、海外でのDOOH事業参入は今回が初となる。
広告配信は、ホーチミン市で整備が進む都市鉄道(メトロ)1号線の駅構内で行われる。全14駅のうち、特に利用者数の多い以下の4駅が対象だ。
- ベンタイン駅
- 市民劇場駅
- バーソン駅
- スオイティエンターミナル駅
これらの駅内計10カ所に、Vie BOARDが所有するデジタルサイネージが設置され、乗客の移動導線に合わせた広告配信が実施される。
今回の取り組みの特徴は、ドコモが持つ「ドコモデータサイエンス」の活用にある。統計処理されたGPSデータなどを基に、広告の視認者数やユーザー属性を推定し、その分析結果を広告運用に反映する。
この仕組みにより、従来の屋外広告と比べてターゲティング精度が向上し、広告主にとってはブランド認知の拡大や広告効果の可視化が期待される。
Vie BOARDは2024年8月に設立され、資本金は約120万米ドル。出資比率は以下の通りとなっている。
- DatVietVAC:50.1%
- NTTドコモ:49%
- DatVietOOH:0.9%
同社は、ベトナム市場におけるDOOHビジネスモデルの確立と、将来的な市場拡大を目的としている。
東南アジアでは都市化の進展とともに交通インフラの整備が進み、屋外広告のデジタル化ニーズが急速に高まっている。今回の取り組みは、ドコモにとって通信事業にとどまらないデータ活用ビジネスの海外展開の一環と位置付けられる。
今後は、ベトナムでの実績を足掛かりに、他地域への展開も視野に入る可能性がある。データドリブンな広告手法が、グローバル市場でどこまで浸透するかが注目される。
