ベトナムの大手IT企業FPT Corporation(FPT情報通信)の日本法人、FPTジャパンホールディングス株式会社(東京都港区)傘下のFPTソフトウェアジャパン株式会社は、九州電力株式会社(福岡県福岡市)の100%子会社でICT事業を担うQsol株式会社と、システム開発・運用保守分野で中長期的に連携する基本合意書を締結した。
今回の協業では、ベトナム中部のダナン市にオフショア開発センター(ODC)を設置。九州電力グループが利用するシステムについて、開発だけでなく運用・保守までを含めた幅広い業務で協力する体制を整える。
両社はすでに8月からダナン市でODCの運用を開始しており、今後、プロジェクトの拡大に合わせて人員や機能を段階的に強化していく。
ベトナムはIT人材の確保やオフショア開発の拠点として存在感を高めており、なかでもダナンはIT企業や技術人材が集積する都市の一つとなっている。
今回のODC設置により、国内側の業務知見とベトナム側の開発リソースを組み合わせ、九州電力グループのシステム開発・運用を支える体制を構築する。
協業の背景には、両社が持つ異なる強みを組み合わせる狙いがある。
Qsolは、九州電力グループのICT領域を担う企業として、電力業界に関連するシステムの開発・運用に関する知見を有する。一方、FPTソフトウェアジャパンは、FPTグループが持つ海外を含む開発ネットワークやIT人材を活用したシステム開発を強みとしている。
両社はこれらのリソースを組み合わせることで、システム開発における生産性と品質の向上を目指す。
また、単なる開発業務の外部委託にとどめず、技術交流や人材育成にも取り組むことで、両社が継続的に連携できる開発基盤の確立を目指す考えだ。
今回の基本合意は、九州電力グループ向けシステムの開発・運用保守における中長期的な協業を視野に入れたものとなる。
今後はダナンのODCを段階的に拡張しながら、技術やノウハウの共有、人材育成を進める。両社は、業務を継続的に担える自律的な開発・運用体制を構築し、長期的なパートナーシップにつなげていく方針だ。
日本企業におけるIT人材の確保やシステム開発体制の高度化が課題となるなか、FPTが持つベトナムのIT人材・開発基盤と、日本の電力業界に精通するQsolの技術・業務知識を組み合わせる今回の取り組みは、日越間のIT協業をさらに深める事例としても注目される。
